一般的には配置、配列を意味する。配置とは、ある空間に物を置く事である。しかし、ただ物を置くだけでなく,なんらかの意思によって、その順序や配列を考慮しているという意味である。そこから、空間に限らず平面上に、視覚的な対象物である写真やイラストレーション、図解、文字などを配置するという意味に繋がっている。日本語としてのレイアウトは、紙面あるいは誌面上での編集的な配置や配列によって、視覚的な理解度を高めるという意味になっている。 しかし、レイアウトの意味は、空間上での構造の要素や要因を順序づけて配列するということにまで拡大してきている。例えば、電子回路のレイアウトとは、実装配置のことであり、これはつまり構成配列を意味する。このように、機器の内部での機械要素の構造的な配列を目指す場合、私はそれを configuration layout と定義してきた。このことからもわかるように、今やレイアウトは、物や要素の配置だけを意味しているわけではない。例えば、日本語の「配置転換」とは、人間の働き方の機能的な構造化を意味している。英語ではこれを rotation と言うが、その主要な意味は、機能の配置を換えることである。そして今や、遺伝子のレイアウトというように、その意味を拡大している。
かつてバウハウスにおいても、平面上で文字のパターンの機能的な配列の研究が行われていた。そうした静的なレイアウトが、キネティックアートの映像などを通して、生活や文化の配列や配置に繋がっていき、生活者のライフスタイルにおいても、視覚化によって目指す具体性、つまり、機能的な配置は、そのまま構造的な配置(configuration layout)に繋がっていることに注目すべきだろう。さらに言えば、これは思想の配列や制度の配置などにも繋がり、改めて重要な要素と要因を包含した言葉となっている。