コンピュータシステム全体を管理するソフトウェアをオペレーティングシステム(OS)と呼ぶ。コンピュータシステムの全体的な管理とは、キーボード入力や画面出力と言った入出力機能やディスク、メモリの管理など次の3つに分類できる。ジョブ管理・タスク管理・データ管理である。こうした管理の多くはアプリケーションソフトに共通して利用される基本的な管理機能をコントロールするということで、「オペレーティングシステム」となる。したがって、「基本ソフトウェア」とも呼ばれる。当然ながら、基本的な管理の効率性を向上させることを目的としたソフトである。 OSは6つの目標を目指し、コンピュータの処理能力の進化とともにOSも同様に進化している。まず、処理能力の向上、応答時間の短縮、プログラムの生産性、機能の拡張性、信頼性の向上、そして、使いやすさの向上である。こうした目標を進化させ、OS機能を利用することによって、プログラム開発の手間を省くことができ、アプリケーションの操作性を統一できるようになってきた。そして、ハードウェアの仕様に違いがあっても、OSがその違いを吸収してくれるため、あるOS向けに開発されたアプリケーションソフトウェアは、基本的にはそのOSが動作するどんなコンピュータでも利用することができる。 最も一般的で普及しているパーソナルコンピュータ用のOSはマイクロソフト社のWindowsシリーズである。市場では9割以上のシェアを占めている。デザイナーにとっては、DTPやオーサリングツールでは、アップルコンピュータ社のMac OSが利用されている。最近では、Windows系もMac系と同様に、GUI(Graphic User Interface)はアイコン操作やメニューバーなど、OSの操作形式は似通ってきている。また、企業のサーバーや学術機関で使われているEWS(Engineering Work Station)は各社のUNIX系OSや、無償配布されているLinuxやFree BSDなどのUNIX系のOSが使われている。Mac OS Xは、UNIX系との連携を目指したOSであり、本来は、Marchから派生したNeXT STEPからOpen Stepを経て登場したOSである。さらに、Palm TopコンピュータのOSのPalm OSでは、手書き入力認識など、モバイル性能を特化させたOSも登場している。OSの歴史はコンピュータシステムの利用形態の発展や進化過程である。OSの起原から現在まで知ることは、OSの根幹的な重要性を理解することに繋がっている。OSの進化は、コンピューティング技術の進化を最も端的に物語っている。