デジタルには、指を折り曲げて(使って)数値を表現するという原義がある。デジタルとアナログは、対比して定義付けられており、デジタルを日本語で定義するときには、必ず「離散的」という表現が用いられる。離散とは、1つにまとまっている物事が散り散りばらばらになってしまうということである。数学用語として「とびとびの値を取ること」を意味する。人数や金額など、ある最小単位があって、その整数倍が、いわゆるとびとびの離散的値であり、その量をデジタル量という。こうしたことに対して、最小単位など考えずに連続的な値を取り得る量をアナログ量という。具体的な例を挙げれば、デジタル時計は、時刻をそのまま数字表現で表示しているが、アナログ時計は、12時間の表現のなかで、何時何分さらには秒数までが時針で指示されている。また、蛍光灯は常にプラス・マイナスが瞬時に変換することで蛍光物質が発光するというデジタル的な方式である。対して、白熱灯は、フィラメントに連続して電庄が負荷されることで高温熟によって白色の光が発光している。これはアナログ的な状態である。 デジタル量は数字や符号で表現される。デジタル量を扱う計算や記憶・再生・伝送や表示などのシステムは、スイッチのオン・オフやパルスの有無、電圧のオン・オフなど、離散的な状態しかとらない要素の組合わせによって、論理計算、つまり判断や推理を認識する対象に対して道筋や脈略、構造から論法を形式化して推論的な真偽結果を導き出す情報処理をする。一方、同じ情報処理でも、アナログ量を扱うシステムでは、物理的な要素の組合わせに従うという規制があるために、物理法則の範囲内での計算しかできない。よって、デジタル方式が情報処理では自由度が高い。しかし、アナログ量もそれなりに最小単位を定義すれば、精度のある表現や表示が可能になる。そこでナログ量のデジタル量への変換や、その逆変換を行い、これらをアナログ-デジタル(A-D)変換、デジタル-アナログ(D-A)変換と呼ぶ。