基盤となる寸法の事である。具体的には建造物やモノの寸法基準の集合体の事を表す。そこから、ハードウエアやソフトウエアを構成する機能単位や交換可能な構成部分をという意味を持つに至った。これはシステムに対して界面性を持つ、つまりインターフェースが規格化・標準化されていて、設計面で容易に追加や削除が可能となる基準である。つまり、ひとまとまりの機能をもった部品という意味を獲得している。デザインや建築資料において、この言葉の意味に厳密な定義性が求められるべきであるが、特に建築史のなかでは、幾人かの歴史的な建築家が、設計での寸法基準について自己流のモジュール論を残し、実際に具体的な作品において応用してきた。ダ・ビンチやコルビジエのモジュール展開が有名である。こうした建築あるいは構築物でのモジュールという、伝統的とも呼べる意味性が、現代的のコンピュータ用語へと見事に継承されている。
デザイン用語としては、今後、インターフェースを基軸とした構成部品の展開という意味をこの言葉には与えられるのではないかと考える。建築的な意味の伝統性から開放されるためには、寸法基準や部品構成の交換といった概念を、さらに進化させる革新的な考え方が必要である。私はモジュール論への次元展開が、これまでの伝統性を打ち破るのではないかと思っている。時間軸という基軸をモジュール論として、設計論やデザイン手法に組み込んで行けるのではないか、という提案である。具体的には、4次元CADのための時間制御プラグインソフトウエアなどがデザイン対象になるのではないか。これは、デザイン領域の拡大をうながし、デザイン手法の開発論にもつながると考える。これがこれからのデジタル・モジュール論になる。