Philosophyは、ラテン語あるいはギリシア語のphilosophiaを原語としている。philosophiaの原義は、「さまざまなことがらとその原因に関する研究と知識」であり、「知に対する愛」という意味があった。この知に対する愛からさらに派生し、時代的な変遷を遂げ、実際的な知恵という意味を持った後、フィロソフィーは次々と副次的な意味を包含していくこととなる。そして、知識の変遷や知そのものに対する洞察力という意味へと拡大した。例えば、神に対する敬慶な態度や、神への服従と同等な意味としてのフィロソフィーは、研究学として、3つの意味と範疇に分かれていった、形而上学=meta-physical、倫理学=moral、自然科学=naturalである。そして、自然科学は、科学=scienceになっていった。こうした範疇への分化、あるいは分科(日本の科学は分科学であるという定義もある)は、人間の知識力や論究の対象と、宗教との峻別を明確にすることで、神の存在そのものへの懐疑性をも獲得することとなる。さらに、フィロソフィーはあらゆる思想体系に対しての共通名称となったが、現代英語におけるフィロソフィーには2つの意味・用法がある。1つは、よりアカデミックな用法であり、長期にわたる知識の論理と理論に限定されている。これは一般的な倫理的、知的体系との伝統的関連性を論証しない限り、その論理そのものを誤りとするものである。もう1つは、一般的な会話用語としてである。例えば、企業哲学、販売哲学、教育哲学などという場合のフィロソフィーだが、これは、1835年に製造工学哲学という用法が生まれたことにまで遡及する。しかし、この用法には、知識や知への愛、あるいは一懐疑性や正当性という意味は包まれておらず、限定的な意味しかない。デザイン哲学という場合も同様である本来のフィロソフィーという意味からのデザイン哲学を語るならば、デザイナーの創造思考の体系化までが問われると考えるべきだろう。