地球環境の破壊と共に、何かが生き延びるための「持続可能」という意味性で一般語になっている。それはエコロジーという概念により実践的かつ効果的なものにすることを狙ったものとして世界共通のキーワードであり、スローガンとして認識されるようになった。 この言葉は本来は英語である。ところが、出自はヨーロッパ語圏での「経済用語」であった。つまり、米国や日本のドルと円による金融支配構造に対して、欧州連合が、どのように「存続していくことが可能」であるか、「持続可能性や存続性」を、経済環境として構築するマニフェスト用語が発端であった。しかし、このことはすでに忘却されてしまっている。いや、忘却というよりは、欧州の経済戦略として、欧州通過の統一を図ることで、欧州連合が経済共同体として、どのように存続・持続していくのかということ、つまり環境破壊とともに、経済環境を統合化していくうえでの、極めて的確な言葉であった。この的確さゆえに、この言葉は経済用語から社会用語となり、欧州連合はエコロジーをも含有する言葉にしていくというグローバルな戦略化を図ることができる。 つまり、欧州経済連合の戦略として、経済環境は自然環境とも密接に関連し連鎖しているわけであり、経済環境と自然環境を適合させるという目論見があったのである。それは、エコロジーというキーワードだけでは、自然環境の保護や保全という意味に限定され、実践的なスローガンにまではなり得ない。それどころか、エコロジーという概念やその意味性は、生態学的な範疇からは逸脱できないということが明白になったときに、保全や保護、あるいは循環という意味性よりも、より積極的な持続性を環境用語として、経済性や産業構造のあり方までが包括できるということでは、見事的な戦略のコンテクスト化ができた用語になっている。 したがって、エコロジーデザインとサスティナブルデザインとでは、その際をデザインの本質的な意図や効用において、より明確にしていく必要があると考えるべきだろう。エコロジーとサスティナビリティには、端的には保全と持続という基本的な違いがあることを確認しておくべきである。