人間のコミュニケーションにおいては、送り手と受け手の間に介在させる「言語」もしくは「非言語」、つまり、身振りや音声さらには映像などが必要である。こうした「言語」や「非言語」をメッセージと呼ぶ。メッセージをどのように介在させるかにおいて、媒体(メディア)という形式が存在することになる。しかしメディアのないようによって、送り手と受けての間で理解度に差が生まれ、解釈が同一であるとは限らない。そこで、「言語性」や「非言語性」をまとめて「記号=メッセージ」として考え、その意味内容の質を決定していくことになる。この質には、そのメッセージが、「ラング(言語の体系・辞書)」であるか、「パロール(都度の発話・会話)」であるという定義から分類することができる。しかし、結局、メッセージとは、記号のある種の直喩あるいは隠喩であり、コミュニケーションという社会的な制度は、メッセージの伝達によって成立している。
デザインにおいても、その本質で表現されたコトやモノが、ラングであるか、パロールであるかという分類にあることは間違いない。つまり、デザインはすべてにおいてメッセージを具現化したものだということができる。すなわち、designの語源であるdesignare(目印を付けて指示・表示するの意)の結果がメッセージだと言っても過言ではない。こうしたことから、メッセージの質や内容においては、デザイン手法にとっても、その表現媒体としてのメディアの選択がきわめて重要であることを知っておかなければならない。